短歌書籍紹介
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短歌書籍紹介

古典編


『万葉秀歌探訪』 岡野弘彦 (NHKライブラリー) 定価1124円(税込み)
おすすめ度★★★★★
難解度★★

我が国最古の詩歌集、『万葉集』の解説書。

全二十巻、四千五百余首の中から、岡野弘彦さんの歌人の目で、各巻ごとに必読秀歌を厳選し、この歌集の魅力を立体的に探っている魅力あふれる書物です。

黙読するのではなく、実際に声に出して読んでみることで失われた歌の「しらべ」をとりもどそうとする試しみは非常に興味深く、また学ぶところの大きいものだと思います。
歌の力(言霊)によって、自然に宿る庶物霊に呼びかけ自己の願いを実現させようとした万葉人。
今は失われてしまった言霊の力を取り戻そうとする本書の試しみは、歌人が進むべきひとつの方向性を示してくれているのではないでしょうか。

内容的には各巻の代表歌が広く深く採り上げられているので、万葉集の入門書として最もお薦めできるもののひとつです。
僕個人としては、岡野さんに本書の要領で、すべての万葉歌の解説をしてほしいぐらいです(笑)


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